史上最高値を連日更新するS&P500、マグニフィセント7決算・FOMC・関税の三重奏に注目 | 岡元兵八郎の米国株マスターへの道 | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

robot
概要作成中

テクノロジー以外のセクターへも資金流入が加速

先週(7月21日週)の米国株市場は、S&P500とナスダック100が揃って史上最高値を更新する力強い展開となりました。S&P500は5営業日連続で過去最高値を塗り替えており、これは2021年後半以来の快挙です。背景には、堅調な経済指標と予想を上回る企業決算があり、特に生成AIを中心としたテクノロジー分野への成長期待が、マーケットの強さを支えています。

好調な企業業績は、AI関連企業にとどまらず、幅広い業種に波及し、テクノロジー以外のセクターへの資金流入も加速しています。これは、現在の相場が単なるテーマ性による物色相場ではなく、実需と利益成長に裏打ちされた健全かつ持続可能な市場拡大局面にあることを示唆していると言えるでしょう。

株価に一時的な価格調整が生じても冷静に受け止めるべき局面

一方で、テクニカル面では市場に過熱感も生じつつあります。S&P500およびナスダック総合指数のRSI(相対力指数)はいずれも70を上回り、いわゆる「買われすぎ」水準に到達しています。さらに、VIX指数(いわゆる恐怖指数)は2025年2月14日以来の低水準に沈んでおり、市場参加者のリスク許容度が顕著に高まっている状況です。

実際、相場の調整を警戒して空売りポジションを構築していた投資家の一部が、含み損の拡大を回避すべくポジションを解消しており、こうしたショートカバー(買い戻し)が株価上昇をさらに押し上げる一因となっています。総じて、現在の市場センチメントはかなり楽観的であると言えます。

もっとも、過去の統計に鑑みれば、S&P500は年に一度程度、10%前後の調整を経験するのが通例であり、5%程度の軽微な調整であれば年3回前後発生する傾向にあります。したがって、仮に今後一時的な価格調整が生じたとしても、それは決して新たな下落の始まりではなく、むしろ市場の健全な循環の一環として冷静に受け止めるべき局面と考えられます。

業種では産業インダストリアルが牽引、ヘルスケアも回復の兆し

業種別では、テクノロジーセクターに加え、産業セクターの堅調さが際立ちました。GEベルノバ[GEV]やニューモント[NEM]といった銘柄が好調で、これはAIデータセンターの建設や、エネルギーインフラへの投資拡大が背景にあります。

産業セクターは年初来でS&P500を約4ポイント上回るパフォーマンスとなっており、AIの恩恵がハードウェアからリアルアセットへ波及しつつあることを示唆しています。また、これまで出遅れていたヘルスケアセクターにも資金が流入し始め、S&P500ヘルスケアセクターは週次で3.4%の上昇を記録しました。

絶好調なパランティア・テクノロジーズ[PLTR]、コーセラ[COUR]は予想上振れで急騰

個別銘柄では、データ解析企業パランティア・テクノロジーズ[PLTR]がS&P500構成銘柄中で110%上昇と年間トップのパフォーマンスを記録し、先週(7月21日週)も高値を更新しました。新たに同社のカバレッジを開始したアナリストによる買い推奨が株価を押し上げる要因となりました。

また、オンライン教育のコーセラ[COUR]は決算とガイダンスが予想を大きく上回り、1日で36%超の急騰。eラーニング需要とともに、AIを活用した学習効率の向上が評価されています。

一方で、テスラ[TSLA]は今期の販売減速が嫌気され、8%下落する場面がありました。しかし、翌7月25日(金)には3.5%反発しており、下げた局面では押し目買いを狙う投資家の存在がうかがえます。短期的な逆風はあるものの、中長期では依然として注目を集める物理AI銘柄であることということでしょう。

ゼネラルモーターズ[GM]は関税によるコスト増が懸念される中でも自社株買いを積極化しており、株価指標面ではPER5.6倍と割安感が強い銘柄として注目を集めています。

今週(7月28日週)の注目はマグニフィセント7決算、FOMC、雇用統計、そして関税期限

今週は、市場を大きく動かす複数のイベントが予定されています。

まず、S&P500構成比でほぼ2割を占める巨大ハイテク企業であるマイクロソフト[MSFT]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、メタ・プラットフォームズ[META]、アップル[AAPL]の決算が集中して発表されます。市場コンセンサスではおおむね好調な内容が見込まれていますが、過去最高水準にある株価水準を正当化するには相応の上振れが必要です。

加えて、7月FOMC(米連邦公開市場委員会)が7月30日(水)に予定されており、金利据え置きがほぼ確実視されています。とはいえ、トランプ米大統領がパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長に対し、「利下げ圧力」をかけ続けている政治的背景がある中で、FRBの独立性を巡る懸念が市場の債券市場に悪影響を与えるリスクにも注意が必要です。

また、米国との関税交渉については、日本に続きEUも相互関税15%で合意と報道されています。中国とは、次の相互関税引き上げ期限である8月中旬に向けて、今週閣僚級協議を実施する予定となっています。米国製造業に影響のある交渉の行方を引き続き注視する必要があるでしょう。

XEM-2.36%
GM0.67%
このページには第三者のコンテンツが含まれている場合があり、情報提供のみを目的としております(表明・保証をするものではありません)。Gateによる見解の支持や、金融・専門的な助言とみなされるべきものではありません。詳細については免責事項をご覧ください。
  • 報酬
  • コメント
  • 共有
コメント
0/400
コメントなし
いつでもどこでも暗号資産取引
qrCode
スキャンしてGateアプリをダウンロード
コミュニティ
日本語
  • 简体中文
  • English
  • Tiếng Việt
  • 繁體中文
  • Español
  • Русский
  • Français (Afrique)
  • Português (Portugal)
  • Bahasa Indonesia
  • 日本語
  • بالعربية
  • Українська
  • Português (Brasil)